Victory Mesh メッシュ生成/再生成ソリッド・モデリング

Victory Meshは、ソリッド・モデリング機能による2次元および3次元構造の新規作成だけでなく、既存の構造モデルに対してメッシュ生成やメッシュ・リファインを行う強力な機能を提供します。代表的な使用法は、Victory Processから出力された形状データやドーピング・データを入力として取り込み、Victory DeviceやCleverの3次元寄生素子抽出に最適な、細分化されたメッシュを生成することです。また、Victory Meshのソリッド・モデリング機能を使用して、既存デバイスを変形したり、一から新しい構造を作成したりすることもできます。

利点

デバイス・シミュレーションやRC寄生素子抽出の入力として、2次元または3次元構造のメッシュを最適化
Crop (切り抜き)、Slice (切断)、Mirror (ミラー反転) など、既存のデバイスを変形
ユーザ定義に基づく自動メッシュ・リファイン
ソリッド・モデリング技術によって2次元または3次元デバイス・モデルを生成

用途

アドバンスドCMOS：バルクCMOS、PDSOI、FDSOI、FinFET
パワー&RF：BCD、パワー・ダイオード、IGBT、サイリスタ、GaN HEMT、SiC DMOS、SiC LMOSなど
ディスプレイ：アモルファスおよびPoly-Si TFT、IGZO TFT、LED、OLED、マイクロLED
オプト・エレクトロニクス：CCD、CMOSイメージ・センサ、アバランシェ・フォトダイオード、PiNフォトダイオード、太陽電池

コア機能

Victory Meshは TCADグラフィカル・ユーザ・インタフェース Deckbuildより実行でき、以下を読み込み使用することができます。

シルバコ標準フォーマットの2次元または3次元ストラクチャ・ファイル (.str)
半導体プロセス・シミュレータ Victory Processで保存された2次元または3次元のステータス

Victory Meshの出力

シルバコのインタラクティブ・ツールを用いて可視化
半導体デバイスの物理特性シミュレーションを行うシルバコのTCAD デバイス・シミュレータ、またはフィールド・ソルバ・ベースのRC寄生素子抽出を行うシルバコの寄生素子抽出ツールの入力となる結果を出力可能
標準フォーマット (例 .stlや.vtk) で出力し、他社のソフトウェアで使用可能

デバイスのメッシュ生成

Victory Meshでは、デバイスのメッシュ生成スキームを以下の方法から選択します。これにより、メッシュの形式および密度をシミュレーション・ニーズに合わせて選択できる柔軟性を提供します。

Delaunay – 非構造格子サンプリングによる局所的なメッシュ生成
Conformal – 半構造格子直交座標に基づくサンプリングによる局所的なメッシュ生成

Victory MeshのDelaunayメッシュには、一般的なものだけでなくTCADに特化したリファイン・スキームがあります。

Uniform (一様)、Impurity (不純物)、Junction (接合)、Iso-surface (等値面)、Interface (界面)、Shape (形状)、Approximation Distance (近似距離)、Quality (メッシュ品質)

各リファイン・スキームは、特定の材料領域、またはユーザ定義の属性にそれぞれ適用することができます。

ソリッド・モデリング

Victory Meshには、Geometric Transformation (幾何学的変形)、Shape Generation (形状の生成)、構造のJoin (接続)、Crop (切り抜き)、解析的なドーピング・プロファイルの設定などの機能があります。これらを使うことで、Victory Mesh内でのデバイスを新規生成するだけでなく、既存の構造を変形することも可能になります。

使用例には以下があります。

ソリッド・モデリングにより生成した構造は、通常通りメッシュ生成をしてデバイス・シミュレーションに使用できます。