• Reliability

信頼性ソリューション

放射線

私たちは、大量の宇宙線と高エネルギー中性子が飛来する、放射線の降り注ぐ惑星に住んでいます。これらの粒子は、次の2つの大きな問題を引き起こします。一つは、シングル・イベント・バーンアウト(SEB)とシングル・イベント・ゲート破壊(SEGR)を含むシングル・イベント効果(SEE)です。この効果により、高エネルギー粒子に起因するメモリ内のビット反転、メモリの値の変化、デバイスの破損が発生することがあります。この効果が原因でシステム全体が一時的に機能不全に陥ることがあるばかりか、回復不能な故障が発生することもあります。

もう一つの問題は、トランジスタにおけるしきい値の変動を発生させる、放射線粒子量の蓄積が持つ効果です。この効果によって、長期的信頼性に関わる問題が生じる可能性があります。この効果は、宇宙空間で使用する電子機器の場合、地球磁場による保護を受けにくいため特に問題となります。このことは航空電子機器の場合にも該当します。しかし、非常に長い使用期間(例: 自動車の場合の20年の使用期間)が予定されているデバイスにおいては、デバイスの種類を問わずこの効果の考慮が求められます。ハイエンド・サーバのような市販製品に使用される28nm以降のプロセス・テクノロジにおいては、地球上の環境でもわずかなエネルギーでビット反転が生じるため、SEEに対する関心が設計担当者の間でますます高まっています。

シルバコ・ツールは、これらの効果を事実上の第一原理であるものからモデル化することが可能です。また、近年になって機密解除されたしきい値変動計測テクノロジにより、その長期的影響を正確に解析することができます。シルバコ・ツールによるTCADシミュレーションにおいては、ソフト・エラー信頼性と総線量の解析に加えて、NBTIとHCIのような経年劣化効果の解析も可能です。

TCADは放射線解析の根幹を成し、プロセスのレシピからデバイス・モデルを構築します。一部のモデリングはTCADレベルで行うことが可能ですが、複数のデバイスを解析する場合には、TCADモデリングによりSPICEモデルを生成してから回路レベルで解析する手法が最も効果的です。シルバコ・ツールのモデル抽出機能は、TCADとSPICEのシミュレーション世界の間を橋渡しする役割を果たします。照射後コンパクト・モデル(あるいは経年コンパクト・モデル)の生成が可能で、例えば、回路をモデリングして、その回路で10年後に見込まれ得る動作のシミュレーションを行うことができます。また、ある一つのデバイスを対象にTCADで解析した放射線衝突シミュレーションの結果をそれ以外に伝播させ、SPICE回路シミュレーションの一部として解析できるように、TCADとSPICEの混合モードによるシミュレーションを実行することが可能です。

エレクトロマイグレーション / IRドロップ

電力密度が上昇するアドバンスド・テクノロジ・ノードにおいて、EM解析は設計フローにおける重要な信頼性検証ステップです。シリコンに近接する多数のメタル・レイヤに対して、機能を確実にするためのIRドロップ解析が重要となります。動作中のデバイスで生じる熱とそのEMおよびIRへの影響を、併せて考慮する必要があります。シルバコは各種信頼性検証ツールの構成としては、EM、IR、熱の解析機能を備えた製品も提供しています。