How to Use Victory Quantum Transport Models for Atomistic Device Performance Predictions
配信開始日: 2022年5月8日
本ウェビナーは、2022 International Symposium on VLSI Technology, Systems, and Applications (VLSI-TSA) 特別セッションT9-2の再掲載です。
ナノデバイスの性能予測では、以下を備えているのが理想的です。
- 原子レベルの分解能
- すべての量子現象の一貫した記述
- フォノンや不純物によるインコヒーレントな散乱の現実的な扱い
原子論的量子輸送は、実現不可能な数値計算上の負荷を伴うか、あるいは散乱効果を完全に無視するというのが通説です。本ウェビナーでは、量子輸送シミュレータに実装されている最新のインコヒーレント散乱モデルを紹介します。これらのモデルは、III-V族半導体や遷移金属ダイカルコゲナイドにおけるバンドギャップ狭窄やアーバックテールの実験的な観測結果を、調整用パラメータ無しで忠実に再現しています。これらの散乱モデルは、ナノワイヤー・トランジスタにおける量子輸送を近似前の1%以下の計算負荷で正確に解く低ランク近似と完全に互換性があり、数ノードの計算インフラで実行可能です。
新しい量子輸送法ROBINは、物質シミュレーションにおける周期境界条件の悪名高い欠点を克服しています。周期性の仮定に依って、微小摂動が材料物性の系統的変化にまで影響することを、Si原子を合金化したグラフェンで実証します。Si合金原子が周期的に分布していると仮定すると、グラフェンにバンドギャップが生じる一方、Si合金原子がランダムに分布していると、グラフェンのディラック・コーンが線形にシフトするだけとなり、これは実験結果と定量的に一致します。
内容
- 量子輸送実装の最新インコヒーレント散乱モデル
- 新量子輸送法「ROBIN」
- 材料シミュレーションにおける周期境界条件の欠点の克服
プレゼンタ
Dr. Tillmann Kubis, Katherine Ngai Pesic and Silvaco Research Assistant Professor of Electrical and Computer Engineering
Tillmann Kubis教授は、パデュー大学のNEMO5開発チームのリーダーを務めています。ナノデバイスや分子における平衡・非平衡現象のあらゆるトピックを研究対象としています。ナノデバイスにおける電子およびフォノンのバンド構造、熱、電荷およびスピンの輸送が含まれます。ミュンヘン工科大学(ドイツ、ガルヒング)より理論半導体物理学の博士号を取得しています。
対象:
半導体デバイス、IP、回路、CAD、SoC、システム設計エンジニア、プロダクトマネージャ、エンジニアリング管理者。
[日本時間]
開催日: 2022年5月6日
配信: オンライン
開催時間: 2:00-2:30 JST
言語: 英語