シルバコ、Viola 10Xを発表 – ナノメータ・シリコンのキャラクタライゼーションを1桁高速に実行

Intelligent Optimizationテクノロジにより、スタンダード・セル・ライブラリ、I/Oパッド、メモリのタイミングおよびパワーのキャラクタライズを10倍高速に

米国カリフォルニア州サンタクララ発 – 2019年5月28日 -チップおよび電子システムの設計用ソフトウェア、IP、サービスを半導体企業に提供する世界的リーディング・プロバイダであるSilvaco, Inc (以下、シルバコ) は、本日、シルバコのファウンデーションIP製品ラインで最新となる、スケーラブルな半導体知的財産 (IP) のキャラクタライゼーションおよびモデリング・ツールであるViola 10Xを発表しました。

Viola 10Xの完全自動フローは、新たなIntelligent Optimizationの活用により10倍高速なパフォーマンスを実現し、シルバコのSmartSpiceシミュレータおよびJivaro-Aリダクション・テクノロジの搭載により、ナノメータ・プロセスをターゲットとするI/O (入力/出力) パッド回路およびデジタル・メモリの高精度なモデリングおよびキャラクタライゼーションを実現します。

Viola 10Xは、スタンダード・セルおよび複雑なカスタムセルやマクロのトランジスタ・レベル・ネットリストを用いて静的構造解析を自動的に実行する高度なキャラクタライゼーション・システムです。この解析結果を使用してキャラクタライゼーションの制約をすべて設定した後、ファウンドリ認定の高速高精度なSmartSpiceシミュレータを活用して、タイミング、パワー、ノイズ、そして統計的静的遅延解析 (SSTA) モデル生成といった全体のスループットを向上します。Viola 10Xは、高速キャラクタライゼーション機能を提供するだけでなく、業界標準のすべてのモデル・フォーマットに対応し、クローズド・ループ・モデル検証も含むため、サード・パーティ・ツールをシームレスに起動して生成されたモデルの検証を行うことが可能です。

「Certusは、エリア、消費電力、ESD (静電気放電) 保護、機能、およびI/O回路のパフォーマンスを最適化する最先端ソリューションを提供しています。」とCertus SemiconductorのDirectorであるStephen Fairbanks氏は述べています。 「我々は、Viola 10Xを使用することで、IoTセンサの主要プロバイダであるお客様からの開発とキャラクタライゼーションを短期間で完了することができました。Viola 10Xの10倍高速なスループットにより、精度を落とさずに、エリア、消費電力およびI/Oパッド回路のパフォーマンスを最適化することが可能となります。」

「Viola 10Xでは、開発者がキャラクタライゼーション実行の設定を適切に行うために、回路の電気的動作について詳細な知識を持つ必要はなくなりました。手作業によるモデリング工数を削減し、モデル開発の遅れを減らし、人的エラーを排除することが可能です。」とシルバコEDA DivisionのGeneral ManagerであるOle Christian Andersenは述べています。「Viola 10Xのテクノロジは、機能の抽出、すべての電気経路の特定、キャラクタライゼーション手法の最適化を効率および精度を考慮して行い、モデルの作成にかかる時間や工数を大幅に削減し、シルバコのIntelligent Optimizationテクノロジにより10倍高速なキャラクタライゼーションを実現します。」

Viola 10X: 高速、高信頼性モデルのサインオフ

Viola 10X: 高速、高信頼性モデルのサインオフ Viola 10Xの核となる技術は、シルバコ独自の回路機能認識、ベクトル生成、SmartSpiceシミュレーション、そしてJivaro-Aリダクション・テクノロジです。各技術が、シルバコのキャラクタライゼーション・ソリューションでの、容易な設定、キャラクタライゼーション・スループットの加速、そしてモデル・サインオフの品質に貢献します。

  • Viola 10Xはインテリジェントなアルゴリズムを活用し、スタンダード・セルの機能を自動的に認識、モデリングしてすべてのタイミング・アークに対して効率的なベクトルを生成します。Viola 10Xは、広範な機能モード、プロセス・ポイント、電源電圧、接合温度といったI/Oパッドの手間のかかる設定とキャラクタライズにかかる時間を大幅に短縮します。ますます増加するPVT (プロセス、電圧、温度) および動作モードを効率的に処理する機能が、ナノメータ設計の成功には不可欠です。
  • Viola 10Xのスマートなトポロジ・ドリブンのベクトル生成機能は、ユニークな構造ベースのベクトル最適化およびシミュレーション起因のコンストレイント・アクセラレーション・アルゴリズムを特徴としています。これらの機能により、ベクトルの冗長性を除去し、不必要なシミュレーションを回避しながら、キャラクタライゼーションの精度を維持できます。また、Viola 10Xは、柔軟性のある手法も提供するため、特定の測定のためにユーザーがベクトル・セットとシーケンスを与えることも可能です。
  • Viola 10Xは、シルバコのSmartSpiceを含め、商用のSPICEシミュレータに対応しています。SmartSpiceと共に使用すると、Viola 10Xの最適ベクトル生成機能により、従来世代のViolaと比較して1桁高速なスループットを実現し、精度も全く落ちません。SmartSpiceは、アナログ/ミックスド・シグナル設計者、ファウンドリ、およびIP開発者に5nmプロセスまで広く使用されているSPICEシミュレータです。
  • Jivaro-Aは、業界をリードするLPE (Layout Parasitic Extraction) のRC寄生素子リダクション・テクノロジです。Jivaro-Aの回路最適化は、精度要件、シミュレーションの安定性、現実的な値、解析の信頼性および検証可能性に基づいています。Jivaro-Aは、単なるデータ処理またはフィルタリング・ツールではありません。SPICEネットリスト用に最適化されており、回路シミュレータの内蔵リダクション機能と比較してシミュレーション時間の短縮、精度の向上、そして高速処理を行うことが可能です。

提供開始時期

Viola 10Xは、すでに提供を開始しています。詳細については担当営業またはこちらまでお問い合わせください。

第56回Design Automation Conference

Viola 10X: 高速、高信頼性モデルのサインオフ シルバコは、6月3日から5日に米国ネバダ州ラスベガスで開催される第56回Design Automation Conference (DAC) で、AtomsからSystemsまでのソリューションを展示する予定です。シルバコの技術エキスパートが、Viola 10Xなど新プロダクトと新機能を中心にスマート・ソリューションの広範なポートフォリオについて実証を交えてご紹介します。

概要:Silvaco, Inc.

Silvaco Inc.は、EDAツールおよび半導体IPのリーディング・プロバイダです。先端半導体、パワーIC、ディスプレイ、メモリなどのプロセス開発やデバイス設計に使用される製品を提供しています。Silvacoは、これまで30年以上にわたり、お客様の次世代半導体製品開発において、期間短縮とコスト削減に貢献してきました。Silvacoは、世界的に高まるモバイル・インテリジェント・コンピューティングへの要求に応える、革新的でスマートなシリコン・ソリューションを提供するテクノロジ・カンパニーです。米カリフォルニア州サンタクララに本社を置き、北米、ヨーロッパ、日本およびアジアの世界各地に事業拠点を構えています。

本件に関してのお問い合わせ:
jppress@silvaco.com