シルバコとALMAコンソーシアム・パートナー、熱管理プロジェクトで326万ユーロの助成金を獲得

英国ケンブリッジ州セント・アイヴス発 ― 2015年9月1日 -Silvaco Europe, Ltd. (シルバコ・ヨーロッパ) は本日、欧州 (EU) 研究・イノベーション・フレームワーク・プログラム (2014年~2020年)「Horizon 2020」の一環であるプロジェクトALMAに関して、同社とALMAコンソーシアムが欧州委員会により326万ユーロを授与されたと発表しました。プロジェクトALMAの目標は、パワーデバイス、ナノエレクトロニクス、ランダムアクセスメモリ、高温タービン、熱電気エネルギー変換に応用する熱管理の素材や構造の予測設計において、マルチスケールの予測設計を可能にすることにあります。

「熱管理は先端技術開発に大きな難題を投げかけます」と、フランス、グルノーブルのCommissariat à l’Énergie Atomique et aux Energies Alternatives (CEA=原子力・代替エネルギー庁) のプロジェクト・コーディネーター、ナタリオ・ミンゴ氏は次のように述べています。「複合物質の構造における熱流を予測することは本質的にマルチスカラーの問題であり、電子、原子、メゾスコピックのレベルで8桁以上の時間スケールにわたる同時記述が必要となります。現在のやり方はいくつかのモデルを結び付けるものですが、既存のやり方で熱輸送におけるこれらすべてのスケールを同時に対処できるものはありません。ALMAはプロジェクトのゴールとして、次世代パワーエレクトロニクス基板設計のための、工業環境に適した新しい設計ツールが提供できることを目指しています。」

イタリア、カターニア市、STMicroelectronics社のCAD・設計サービス・ディレクターであるプロジェクト・パートナーSalvatore Rinaudo氏によれば、「複合物質をベースにした技術はSTMicroelectornicsのパワーエレクトロニクス計画の中核的戦略目標です。熱管理の材料と構造の予測設計を可能にする最も画期的なモデリング・ソリューションに早期に、しかも優先的にアクセスできることは、当社がパワーエレクトロニクス市場で競合していくための戦略的優先事項です。」

「現在の電子工学における熱管理の基本的問題の一つを解決するため、コンソーシアム・パートナーと手を組めることをうれしく思います」とシルバコの最高経営責任者、David L. Duttonは述べています。「パワーエレクトロニクスはシルバコの大きなセグメントを形成しています。パワーデバイスやパワーICを利用する全世界の大手顧客によるTCAD-to-signoffツール採用が増加しています。次世代パワーエレクトロニクスの基盤技術を生み出す基礎研究を支援することは、顧客、パートナー、業界コンソーシアムとの協力を通じて先端技術課題を解決するという当社の継続的なイノベーション方針と合致しています。」

概要:ALMAコンソーシアム

ALMAは2015年6月に事業を開始し、欧州 (EU) 研究・イノベーション・フレームワーク・プログラム (2014年~2020年)「Horizon 2020」を介して、欧州委員会により3年間の資金援助を受けています。

ALMAコンソーシアムは次の6つのパートナーからなります:

  • フランスの州が所有する研究機関「Commissariat à L’Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives」(原子力・代替エネルギー庁)
  • ルール大学ボーフム (RUB)、Computational Materials Discovery (計算材料発見学科) ICAMS
  • ヨハネス・ケプラー大学 (JKU)、Solid State Physics Division (固体物理学学科)
  • Silvaco Europe Ltd. (株式会社シルバコ・ヨーロッパ)
  • AIXTRON S.E. (アイクストロン)
  • STMicroelectronics S.r.l. (ST)

プロジェクトALMAについての詳細はのウェブサイト http://www.almabte.eu/ をご覧ください。

概要:Silvaco, Inc.

Silvaco, Inc.は、TCAD、EDAソフトウェアのリーディング・プロバイダです。プロセス/デバイス・シミュレータや、アナログ/ミックスド・シグナルIC、パワーIC、メモリなどの設計自動化ツールを提供しています。また、Silvacoは、TCADからサインオフまでの完全な開発設計フローをカバーする製品ラインナップを半導体企業に提供します。ディスプレイ、パワー・エレクトロニクス、光学デバイス向けシミュレーションや、放射線の影響やソフトエラーに対する信頼性検証、先端CMOSプロセスやIP開発向けシミュレーションなど、幅広い用途に対応できるさまざまな製品を取り扱っています。Silvacoはこれまで30年以上にわたり、お客様がコストを削減して市場投入までの時間を最短化し、競争力のある製品を開発することに貢献してきました。Silvacoは米カリフォルニア州サンタクララに本社を置き、北米、ヨーロッパ、日本を含むアジア各地に事業拠点を構えており、今後も世界中のお客様に優れた製品とサポートを提供してまいります。

本件に関してのお問い合わせ:
jppress@silvaco.com

概要:CEA LITEN

CEA (フランス原子力・代替エネルギー庁) は、エネルギー、情報・健康技術、および防衛の領域において国際的に認められている技術研究機関です。LITEN部門はこのプロジェクトを主催し、2013年には従業員1000人以上、1500万ユーロの取引高で、工業用途での先端材料やナノ物質の研究開発に焦点を合わせています。これはNMP(ナノテクノロジー、材料、生産技術)要求内において現行プロジェクトに最適の環境を提供するものです。

概要:STMicroelectronics

STは半導体市場における世界的リーダーで、センサーのスペクトル分光、パワー、自動車部品、エンベデッド・プロセッシング・ソリューションの分野の顧客を支援しています。家庭、車、オフィスで、また仕事やレクリエーションにおいて、エネルギー管理や省エネからデータセキュリティ、ヘルスケアや健康から消費者向け高性能デバイスにいたるまで、STはマイクロエレクトロニクスが人の暮らしに前向き・革新的に貢献をするところで活かされています。生活をもっと豊かにするためのテクノロジーを役立てることにより、STは暮らしの向上を目指します。2014年、同社の純収入74億ドルでした。STについての詳細はウェブサイトwww.st.comをご覧ください。

概要:JKU

オーストリア、リンツ市のヨハネス・ケプラー大学 (JKU) は、4学部、主要な教育研究センターを備えたオーバーエスターライヒ州に位置する大学です。タイムズ高等教育ランキング「100 under 50」によりますと、創立50年以内の大学の世界ベスト100校の一つに挙げられています。特に「半導体・固体物理学部」は、化合物半導体の成長、高度な特性評価、処理における拠点として国際的に認められています。

概要:Aixtron

AIXTRON SEは、半導体業界への蒸着装置大手プロバイダです。創立1983年、本社をドイツのヘルツォーゲンラト (アーヘン市近郊)、支社および営業所をアジア、米国、ヨーロッパに置きます。同社の技術ソリューションは、化合物、シリコン、有機の半導体材料をベースにした電子および光学電子用の先端機器構築のため世界中のさまざまな顧客に利用されています。そのようなコンポーネントは、革新的用途、技術、業界で幅広く使われており、これにはLEDの用途、ディスプレイ技術、データ記憶装置、データ送信、エネルギー管理および変換、通信、信号伝達、照明、その他の多くの先端技術があります。

概要:ドイツ、ルール大学ボーフム

「Interdisciplinary Centre for Advanced Materials Simulation」(ICAMS=先端材料シミュレーション学際センター) は、ドイツのルール大学ボーフムにある研究センターです。ICAMSは、新しい材料開発のコストと時間を削減することを目的として、マルチスケール材料モデリングのための新規次世代シミュレーション・ツールの開発と応用に焦点を絞ります。このような技術を工業的研究に伝達することがICAMSの目標です。